ラルディーニとタリアトーレの比較!最も売れてる2ブランドの評価評判とその人気を分析!

現在最も売れてるイタリアのインポートジャケットはラルディーニとタリアトーレで間違いない。
ラルディーニは韓国中国に続いて今年東京にも旗艦店を開き、ヨーロッパのみならずアジアでも確実に勢いを増している。

メンクラによると、amazonファッションで2017年最も売れたインポートジャケットはラルディーニだそう。
そして、その勢いに迫りつつあるのはタリアトーレかと思う。

服が売れない時代と言われるが、インポートジャケットやオーダースーツ市場は好調。
日本人のファッション離れが喧伝され、ノームコアやミニマリストと呼ばれる退屈な服装やライフスタイルが流行る中、消費意欲のある同世代や先輩方が気を吐いているのは頼もしく思う。

ラルディーニにせよタリアトーレにせよペトリロにせよボリオリにせよL.B.Mにせよ、10万円ものジャケットを何着も買っているような人は着道楽である。
しかし、はっきりいって一般人にこれらの見分けなど絶対につかないし、3万円のセレオリのジャケットとも見分けはつかないはず!

ではなぜ10万円もするジャケットがボンボン売れるのか?
なぜラルディーニはここまで人気なのか?
今回は最も売れているラルディーニとタリアトーレの人気を考察したい。




ラルディーニブレイク前夜

ラルディーニやタリアトーレといったアンコン系ジャケットブームの源流はボリオリに遡る。
ボリオリは高級素材であるカシミヤに大胆な製品染め加工を施すKジャケットでクラシックファッション界に旋風を起こす。
さらに、構築的に見せることが良かれとされてきたジャケットの観念を打ち破り、一枚の布のような、それでいて着るときっちりジャケットとしてサマになる、いわゆるアンコン(非構築的)ジャケットというイノベーションを起こす。

Kジャケットの登場が2003年。ボリオリの代名詞、ドーヴァーが2008年。
日本へ本格的にアンコンジャケットという概念が輸入されたのはドーヴァー以降とのことだが、確かにアンコンジャケットという言葉はここ10年ほどで耳にするようになった。

そして、このボリオリが創った製品染め、アンコンジャケット市場をさらに開拓していく使節団がラルディーニであり、タリアトーレであり、L.B.M1911なのである。
なお、その後のボリオリはクラシックからちょいモード路線へ転向し、ボリオリのデザイナーであったピエルイジ・ボリオリがザ・ジジをスタートさせる。

ラルディーニブレイクの影の立役者

それまで有名メゾンのファクトリーとして堅実な仕事をしていたラルディーニが飛躍のきっかけとなるのが2010年。
クリエイティブディレクターに創業家のルイジ・ラルディーニ氏、セールス部門にエンリコ・アイロルディ氏を迎えたのが転機となる。

どんなに優れた商品であってもマーケティングが駄目なら物は売れない。 
ラルディーニがブレイクするためには、クリエイターであるルイジ・ラルディーニ氏が作り上げた世界観を伝えるビジネスマンが必要だったのだ。

そしてこのエンリケ氏、ロロピアーナやクルチアーニ等のブランドでビジネスの経験がある凄腕の営業マンで、イタリアのみならずアジアでもラルディーニの魅力を伝えることに成功。
中国、韓国、日本にフラッグショップを持つほどにラルディーニを成長させたのだ。
ウォズニアックとジョブズ、本田宗一郎と藤沢武夫の関係のように、クリエイターと営業マンの2つの異なる才能の相互作用によりラルディーニは飛躍したのだった。

ラルディーニの象徴、ブートニエール


とはいえ、ラルディーニ成功の要因は他にもある。
それはブートニエールだ。
やはり一目見てどこのモノか分かるアイコンがあるブランドは強い。

襟元のブートニエールがあればすぐにラルディーニだと分かる。
このブートニエールが目に入らぬか、ドヤドヤ。

そのためラルディーニはちょっとドヤりたい小金持ちの男性に人気である。
中には楽天でブートニエールだけ購入し、安いジャケットにくっくける不埒な輩もいるそうな。

ブートニエールに恨みはないが、ブートニエールに関して個人的なエピソードを2つご紹介。

ひとつ。
以前女子に「そのジャケット、ラルディーニでしょ」と指摘された経験がある。
紳士服の見分けなどつきそうにない女子がなぜそう言ったのか。ブートニエールを見てそう言ったに違いない。

ということは、背後にブートニエールをつけてブイブイ言わせてる金持ちのオヤジがいたはず。
昔の言葉ならチョイ悪オヤジ、最近の言葉なら港区おじさん的な。
道理でやたらと金回りの良さそうな女だった。
ちきしょう…

ふたつ。
上記エピソードをさらに強固にするできごと。
今年の春にとあるネタで文春砲が放たれた。

乃木坂なんちゃらとかいうアイドルグループから脱退した元アイドルが、大企業の幹部と不倫関係にあるとかないとかというネタだ。
ことの当否は知らぬが、注目はこちらの写真。

おやじ、その胸元にくっついてるのはブートニエールではないか!
そうそう。これが俺の中の正しきザ・ラルディーニのイメージ。
くぅ……おやじ、羨ましいぜ……

タリアトーレはなぜ急にブレイクしたか

タリアトーレの創業は1998年。しかし日本上陸はつい5年ほど前。
パンツブランドのPTを扱っている代理店がPTに合うジャケットを、ということで日本に持ち込んだという話だ。

タリアトーレはイタリア語で「裁断士」を意味し、カッティングに定評がある。
ジャケットの特徴は、ラペルが大きくゴージは高い、そしてウエストは絞られたなんとも雄々しいデザイン。
それでいて生地は柔らかで温かみと色気のあるものを多用しており、全体的にとてもセクシーな感じ。

随所にデザイナーであるピーノ・レラリオ氏の美意識が感じられ、単純に言えば「直感的な南イタリア的な色気」が人々の心を捉えたのかも知れない。

しかしタリアトーレを理解するには、ディテールやアイテム単品を見ていてはダメだ。
ピーノ・レラリオ氏の着こなしを見なければタリアトーレの真の姿は伝わってこない。
なぜなら、タリアトーレはピーノ・レラリオ氏そのものだからである。

タリアトーレとはピーノ・レラリオ氏そのものである

こちらがタリアトーレのデザイナーのピーノ・レラリオ氏。
シャツはヘソまでボタンを外し、チェーン付きのジレにジャケットを合わせるスタイルが定番。

これこそがタリアトーレの世界観である。

失礼ながら、ピーノ氏は背も高くないしスタイルが良いわけでもない。おまけに髪の毛もない。

しかし!!!
めちゃくちゃカッコイイ。
イタリア人ってすげーなあー、とつくづく思う。

もちろん、ピーノ氏の着こなしを日本人がやるのは無理がありすぎるので参考程度に留めたいが、イタリア人の自分をカッコ良く見せる技術は大いに学ぶべき点がある。

ピーノ氏は生地のセレクトから縫製までひとつひとつの作業に自らコミットし、ブランドの顔として全面に前へ出て「タリアトーレここにあり!」を表現する(ご本人の性格はシャイらしいです)。

この辺はラルディーニよりもL.B.M1911なんかと比較すると違いが分かりやすい。
一見すると同じように見えるイタリアのジャケットでも実はかなり趣は異なるのだ。

伊勢丹メンズ館の5階に上がるとタリアトーレのラックがあり、その後ろにはL.B.M1911のジャケットがずらりと並んでいる。
門外漢には似たように見えるが実はこの2つのブランドは対照的だ。

デザイナーの顔が見えるタリアトーレとデザイナーの顔が見えないL.B.M1911。
プーリア(南イタリア)の人情系タリアトーレとマントヴァ(北イタリア)のビジネスライクなL.B.M1911。
比較的小さなファクトリーで職人的要素を大切にするタリアトーレとイタリア有数のアパレルメーカーであるルビアム社を母体としデカイ工場で作られるL.B.M1911。
トレンド寄りで派手な生地使いも目立つタリアトーレとトレンドを意識しつつもベーシックなデザインが多いL.B.M1911。

どちらが良いとか悪いとかではないのだが、一見すると同じように見えるイタリアのジャケットも、ブランドによってそのカラーは異なるのである。




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